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横濱硝子を支える作家たち

INTERVIEW

【神奈川・藤沢】ノグチ ミエコ さん

横濱硝子にいた日々は、そのすべてが宝もの。横濱の文化としての作品作りを続けていきたい。

幼少期の頃から透明な素材に憧れ、硝子やクラゲ、キャンディなど、さまざまなコレクションをしていた子ども時代。ガラス制作を始めたのは大学生の時のことです。それ以来、一貫してこの透明な素材を活かすかたちを追求し続けてきました。変幻自在に変化する溶けた熱いガラスが、一瞬でかたちになっていく。それはとてもエキサイティングで、私にとって何よりの喜びです。そんな“瞬間の芸術”であることがガラス制作の特性であり、私の代表作である宇宙というテーマに導いてくれたと思っています。

横濱硝子に入ったのは大学卒業後の1991年のことです。イギリスに行くまでの10年間、ここで創業者の浅利さんや作家たちと一緒に作品の制作に励み、夜な夜な作品について語り合い、批評批判をお互いにし合いました。そうかと思えば、取引先の方を呼んで仮装パーティーをして、仕事そっちのけで準備をしたこともありましたね。浅利さんご家族も一緒になって楽しんでくれ、全員で盛り上がって。そういった横浜硝子での思い出は、一つ一つが私の人生にとっての宝ものです。

横濱硝子には、30年という歴史の中で代替わりしてきた作家たちのアイディアが引き継がれている数々の作品があります。そのどれもが、時代を超えたタイムレスな作品です。横浜にガラス文化を根付かせたい、と語っていた浅利さんの言葉が昨日のことのように思い出される今日この頃。これからも、横浜の文化を担う作品作りが続いていくよう願っています。文化は作り手だけでなく、作品を愛でる人がいてこそ開花するもの。私たちの作品を手に取り、共鳴してくれるみなさまと出会えることを楽しみにしています。

Profile

  • 1989年

    武蔵野美術大学ガラス研究会にて、ガラス制作を始める

  • 1991年

    吹きガラス工房 横濱硝子に入る

  • 2001年

    横濱硝子を退職し、イギリスのLONDON AARONSON STUDIOで研修

  • 2004年

    ガラス工房 FUSION FACTORY築炉・株式会社野口硝子設立

日本全国、海外で数々の展示会を開催。
2007年、TV東京の番組「テレビチャンピオン」ガラスアート部門優勝。
2019年、アジアコスモポリタン賞文化賞受賞など、多数の賞を受賞。